夏の京仕事

       真ん中あたりの樹々の茂みから向こう、山裾迄京都市内です



「暑き日を海に入れたり最上川」芭蕉  
恐れ多くもこの句をもじって「暑き日の京に落ちたり東山」としてみました。


ずいぶん久しぶりに京都の東山にあるお墓に行って来ました。膝を痛めて以来、京阪電車の”祇園四条”から歩くのが運動量として丁度良かったのがある時から負担になり、その内電車の乗り継ぎまでもが面倒になってすっかりご無沙汰続きになっていました。

熱中症になる恐れがあるのでなるべく家にいて下さい、とテレビなどで喧伝される猛暑日の昨日でした。家に居てエアコンの作り出す心地よさに体調の変化する不安を忘れ去り、京都のどこかの街角でタクシーを止めて「南森町までお願いします」など言ってしまいそうな、そんな状況に陥る懸念は何処へやら、「今日は膝の調子に何の不具合も無いじゃないの、お墓行ってみよう❣」と突然思いついたのでした。


スマホで調べると京都の空模様は午後から4時頃まで曇り空…丁度いい感じです。駅前のスーパーでお墓用の”樒シキミ”を購入、お墓の事務所にもありますがここの方が新しく、少し苦労して運ぶ方が自分で納得できます。用意した水をたっぷり含ませたティッシューの入った二重の袋に樒を入れます。色花は”蜂を呼ぶので”と正式には禁止されています。
13時前に乗った京阪電車は二人掛けの座席が所々空いていて、その一つに座ることが出来ました。到着までの時間つぶしにはいつも携帯している、新聞から切り抜いた”数独”が一番!少し難しいのに挑戦したので退屈はしませんでした。

祇園四条駅で降りてすぐ道路の向かい側に渡り、タクシーに乗りました。「大谷祖廟の奥までお願いします」…正門だと降りてから歩く距離が長いんです。そこで勝手口みたいな所までとお願いすると、運転手さんはにっこり^^(心得てますよ、みたいな…)と了解してくれました。料金を支払う際、千円を渡すとおつりがじゃらじゃらと沢山戻って来ました。大阪ではちょっとした距離でも2百円ほどしか返って来ません。訊くと初乗り運賃は460円だそうで追加を加えて今回540円でした。安いですねぇ、以前も暑い時期に乗りましたがすっかり忘れていました。

近くの数段の階段を上がり、境内で手を清めて社務所へ向かいます。3人ほどの先客がお茶を頂いておられ、私も冷たい煎茶を給茶機から頂きました。時計を見ると14時半でした。
空にはモクモクと白い雲が湧いていて、青空も見えつつ太陽は隠れている、という状況でした。墓所の入り口から222段の様々な階段を上ります。電車~タクシー~社務所と冷やしてきた体が段々と熱せられていくのが分かります。我が家のお墓の前に着く頃には汗が噴き出していますが気にせず淡々と掃除を進めました。30分ほどの間、幸い山の奥からお猿も降りて来なかったし、気象情報であった雷⚡予報もハズレでした。汗はお風呂上り並み・・・

元の勝手口から出て、空のタクシーがあればいいな、と思っていると、すれ違ったタクシーが戻って来てくれました。私が(確か、空車のサイン出てた…)と思いながら振り向いたのを、目ざとく気づいてくれたのでした。ラッキーでした。


熱々の京都の空気をやり過ごして、我が家のエアコンの空気の中に無事戻って来られたのは不思議ではないけれど、やはり素晴らしいことでした。
体の不調があったからとは言え、主人の没後毎月通っていたお墓に永く行けなかった申し訳なさを帳消しにしてもらい、お盆にお墓参りをする親族の皆さんに今年は顔向けが出来る❣という嬉しさに満たされている私…いつもお掃除してくれている義弟に感謝です。。。

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