クリスマス・コンサート
昨日はクリスマス・イヴのイヴ、友人と一緒にあるグループのおしゃべり会に出席して、その足で大阪城に近い、いずみホールの「クリスマス オルガンコンサート」へ向かいました。
2階と3階の柵に沿って黒い人影がありますが、 ゴスペルシンガーの人々です |
いずみホールへ行くのに、ホテルニューオータニを通り抜けようとすると、ロビー周りの2,3階のテラスで、黒い服をスリムに着た人たちがグルッと一列に柵沿いにスタンバイしている様子。時は3時前。
3時丁度になると、始まりました。少し迫り出したテラスに女性指揮者が現れ、大きく腕を振って指揮を始めました。そして聴こえてくるのは普通の歌声ではないような、お腹の底から出している声でした。
女声も伝わって来ますが、高い声や裏声などではありません。男声と女声のハーモニィーは、初めて生で聴くゴスペルの合唱でした。「日本中からゴスペルを愛する人達が何十人か集まって実現したこの日のクリスマス・コンサート」というホテルの方の説明を聞くことが出来ました。張りと伸びのある若い声と、上半身全部を柔軟に動かして指揮をする女性指揮者が印象的でした。
いずみホールの優美なパイプオルガン |
いずみホールへは早めに着きました。パイプオルガン奏者はジャン=フィリップ・メルカールトというベルギー人男性で、ソプラニストはコロン・えりかという父はベルギー人、母は日本人という駐日ベネズエラ大使夫人です。二人共、日本で音楽活動を盛んにされているそうです。
プログラムはシューベルトや他の「アヴェ・マリア」が3曲、クリスマスメドレー、「トッカータとフーガ…バッハ」「星に願いを…ハーライン」「オ・ホーリー・ナイト…アダン」「ノエル#10…ダカン」「古いノエルによる変奏曲…デュプレ」その他でした。
「ピアノは1台でオーケストラ」と云われますが、パイプオルガンこそ複雑多様な音色を誇り、一人で操ることの出来るオーケストラそのものです。教会音楽を支える荘厳な響きとその造形美は、キリスト教の普及に欠かせない役割を担ってきたものと思われます。
この日私にとって特に印象的だったのはベートーヴェンの交響曲第5番「運命」でした。あまりにも有名な曲ですが、ホールを隅々まで満たすパイプオルガンの圧倒的なボリューム感と、意外にも華やかな音の響きは、正しくオーケストラ以上の感動がありました。メルカールトさんは、日本でもオルガニストや作曲家・講師などとして活躍の場が広い方のようで、この日の曲は自分でパイプオルガン用に編曲されたものだろうと思いました。舞台上の立ち居振舞いに洗練された優しい人柄が偲ばれました。
メルカールトさんと同世代と思われるソプラニストのコロン・えりかさんはベネズエラ生まれですが、宝塚の小林聖心女子学院の卒業生で関西ともゆかりの深い女性です。彼女の歌声は清潔で美しいと云われています。ソプラノですが、とても自然な発声だと思いました。「いずみホールは若いころからの憧れだった」と喜んでいるそうですが、嬉しいですね。。。
ベネズエラ発の、貧困層の子供たちがオーケストラやコーラスに参加するのを助ける「エル・システマ」という音楽団が世界にいくつか拠点を持っているそうです。そのアドバイザーをしているというコロンさん。
帰宅してCDでオーケストラの「運命」を聴きました。
“生演奏と録音”の違いもあり単純な比較のできるものではなく、
ただその日のコンサートの余韻を楽しみました。
来年またいずみホールへお二人の演奏を聴きに行きたいと思います。
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