チッチとサリーのような・・・

「野ぶどう」です。。。

これまで日本では桜咲く４月の入学式が当たり前でした。

でも欧米や中国を始め主流は９月入学のようです。ついでながら、南半球のオーストラリアやニュージーランドの入学式は、夏休みが終ってからの１，２月のようですよ。韓国では３月のようです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

日本でも秋入学の留学生を受け入れる大学があるので、この時期卒業する留学生がいます。「エルセレーノ紅梅町」では卒業と同時に退去してもらうのですが、９月末退去した一組の中国からのご夫婦がいました。

二人共とてもいい人達で、奥さんのCさんはいつもニコニコしていて幸せそうで、目が合うと何かしら話しに来てくれるのでした。私が下を向いて読み物や書き物をしていたり、パソコンを操作している時には、邪魔をしないようにと思っているのか、気が付いて見ると笑顔を向けてくれました。Cさんは小柄な女性で１５０数㎝でしょうか。入居後しばらくは、（ご主人は大きいのに奥さんは小さくて、昔漫画で見た“チッチとサリー”みたいだな）と思っていました。

 でも不思議なことに知り合うに連れて、彼女のことを「小さい」、とか「背が低い」とか思わなくなったのです。どうしてかわかりません。多分、小さくて可愛いけれど、しっかりしていて、ドアの出入り・エレベーターの乗り降りなど旦那さんより先を行き、まるで彼を従えているかのように堂々としていて、とても存在感があったのだと気が付きました。ヨーロッパの大学で研究生活をした経験もあるので、旦那さんに「レディー・ファースト」が身に付いているのかも知れません。

日本人女性の平均より背の高い私と身長が同じくらいの韓国人留学生Ｋさんは「そうですか、私はＣさんのことを小さいと思ったことはありませんよ」と言いました。そのＫさんの言葉にも驚いた私です。小さいと思ったり、口にするのは失礼なのかな、と考え込んでしまいました。

 そんな奥さんの「幸せ源」たるＲ君、１８０㎝位の立派な体格で、ハンサムな小顔が乗っかっています。怒ったり大声で話すことなど想像もできません。お話する時はいつも柔和な笑みを浮かべていて、落ち着いた低目の声で話すので安心感があり、何を話していても心が寛ぐ気がします。自分の考えはしっかり持っていますが、いつも相手のペースに合わせた会話をするように思います。心にゆとりがあり優しいからでしょう。



この中で何が一番お好きですか？
私は柿ですが、ぶどうも栗もアケビもいいですねぇ＾＾

その彼が、退去に際しての手続き上の説明をしていると、ふと「寂しくなります」と言いました。私は「あなたでもそういう気持ちになるの？」だった、と思いますが返しました。とても理知的な人なので意外な感じがしたのです。彼はまじめな顔で「思っているけど普段は言わないだけです」と答えました。

予定より１日早い２９日のお昼に、引っ越し会社の大きなトラックであらかた運んだあと、夜レンタカーを運転して残りの荷物を取りに来ました。

チェックリストに基づいて、お部屋が彼らの入居した時と同じになっているか、チェックしました。
忙しい２人だったし、荷物の搬出日に彼女は神戸の大学に行っていて、彼が独りで荷物を出したのですが、その後彼女も帰って来たにしても、本当に何もないように元通りになっていました。拭き掃除もきちんと出来ていて（さすが・・・）と、うなる思いでした。

最後に挨拶をして「お幸せにね。どこに居ても幸せでいてね。」と彼女に言いました。彼女はニコニコと手を振りながら車に乗り込みました。「天神橋筋商店街でバッタリ会うかもしれませんね」と言いながら・・・。二人は同じ北区の天神橋筋六丁目辺りに引っ越したのでした。