雨の夜に

９時前、一人の男子留学生が雨の中を帰って来ました。玄関のドアのロックを外してあげようとしたら「部屋の鍵がありません」と言います。結婚しているのですが、奥さんも学生で毎晩遅く（神戸から帰って来るので余計に遅くなります）、それに「彼女は友達と久々に会食をするので、帰りは１１時ごろになると思います」と言うのでした。

背負っているリュックを降ろして中を探し、ズボンのポケットを探して「やっぱりないです」と言いました。「朝、出かける前にいつものリュックが痛んだので、これに入れ替えたんですけど、鍵だけ取り出さなかったんだと思います。」とのこと。

その間、慌てず騒がず、淡々といつものように笑みを浮かべながらの彼の所作でした。

何だかちょっぴり嬉しくなってしまいました。

ご夫婦共に春に３０歳を迎えた同い年で、旦那さんはその頃ドイツに二か月くらいの短期留学をしていて、途中で合流した奥さんと旅行中に二人だけのバースデイ・パーティをしたのでした、手作りのケーキとワインならぬブドウジュースで。最近まで二人とも博士論文に一生懸命で、先日「やっと一段落つきました」と聞いたばかりでした。

そんな立派な若者でも、鍵を持って出ず、そのことを忘れてリュックやポケットの中を探す、なんてことがあるんだな、と思うと微笑ましくなってしまったのでした。そして（その点だけは私もいっしょ・・・）と思って嬉しくなったのでした。

 

二人とも９月卒業ということで、（論文が旨く合格すればいいな）と願うばかりの私です。。。

夜になって雨の降りだした大阪市内ですが、ちゃんと雨の用意はしていたようで良かったです。

一度畳んだ傘を広げて「ご飯食べてきます」とまた雨の中を街へ出て行きました。

昨日の奉納花火は５０００発でした