明けまして・・・梅雨雑感

近畿も18日漸く梅雨が明け、本格的な夏をむかえました。早朝ベランダの鉢植えに水やりをしようと硝子戸を開けると蝉のシャンシャン鳴くのが激しくなり出したので、今年の梅雨明けもそろそろかな、と思っていました。
大阪辺りの降雨量はいつもより3割増し位に多かったとのことですが、いつもどんよりと黒い雲が広がっていて、「梅雨の晴れ間」というのがあまりありませんでした。夜間に激しく降ることも度々でしたしね。

今朝起きて窓を開けると空がとても青かったので(やっぱり梅雨は明けたんだなぁ)と思いました。「梅雨の晴れ間」は多くはありませんでしたが、七夕の日の大阪の空は、「子供の頃の夏空はこんな青さだった・・・」と思ったほど真っ青でした。

そしてその日の夕方、大きな三日月が西の空に傾いていて、その大きな三日月を惚れ惚れ見上げている私は(昔、天空を横切る天の川が夏にはいつも見えているのは普通のことだった)と、見えない天の川を想っていました。。。

奈良に住んでいる友人がいます。40年余り前、結婚する時にご主人の設計でご両親の敷地内にこじんまりとしたお洒落なお家が出来ました。お祝いにみんなで駆けつけた時に、ご馳走して貰ったのですが、他のものは憶えていないながら、朱塗りのお椀に入ったおぜんざいが美味しかったことは、いまだに忘れられません。多分、賢く現代的な彼女とおぜんざい、彼女と伝統的な漆塗りのお椀に意外性を感じたのだと思っています。

その彼女たちの新生活のスタート以来、何回か泊まりに行きましたが、その度にお家が増築されて今は白亜の、広壮で素敵な邸宅になっています。ただ、ずーっと私がひそかに心配していたのは、そのお家が斜面を利用した造りになっていることでした。「固い岩盤の上だから大丈夫」とはそれとなく聞いていたものの、奈良に大雨が降った時はとても心配でした。

2,3年前、あるグループで法隆寺に行った帰り、一人皆さんと別れて、久しぶりにそのお宅を訪ねました。休日のことで在宅だったご主人も、昔から集まりがあれば顔を出しておられたので御馴染みであり、ご自分でこだわりのコーヒーを淹れて下さったりして歓待してくださいました。

久しぶりだったので、また増築されて広くなった邸内を彼女に案内してもらいました。一人娘さんの家族が泊まりに来た時のためにというお部屋や洋服ダンスなど、まるでホテルのような設えになっていました。中庭や裏庭があり、彼女の得意でなかった筈の園芸にも力を入れ出したようで、可愛いお花が色とりどりに美しく配置されていました。

お家の中を見せてもらっている時に、とうとう私は「裏の崖は大丈夫なの?」と口にしました。すると彼女はお風呂の窓を開けて、「ほら、もっと上にまたお家が建ったの。ここの岩盤はしっかりしているから大丈夫」とにっこりしました。
最近やっと私は、奈良に大雨が降っても気にならなくなりました。

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