ブランド物

独身の頃から今に至るまで、バッグ類にしろ、洋服にしろ、いわゆるブランド物をあまり持っていません。どちらかと言えば、あまり興味がないというか、自分には高嶺の花だと思っていたのでした。

22歳から洋裁をしていて、自分の物はほぼ自分で作っていたので季節が変われば、もしくは期近に課内旅行などあれば『ドレスメーキング』という服飾雑誌の中から気に入った服を選びます。
型紙作りから始め、同時に戎橋の‘’とらや‘’という服地店や百貨店などへ行きイメージに合った布地を求めます。(今はもう百貨店から布地売り場は無くなったのでしょうか、見当たりません)。旅行の時期が迫って来れば、夜なべ・徹夜などしてでも間に合わせていたのが懐かしいです。
反対に生地売り場を何気なく見ていて(あ、これイイ!)と思えば買っておいて、後から服に仕立てることもありました。なので、スーツやスカート・ワンピースなどの完成品を買うことはあまり無かったんです。

入社早々の頃、海外出張のお土産にアメリカ製のコンパクトや香水を周りの先輩女性達が貰っておられるのを憧れの目で見ていたものでした。それらは正しく‘’アメリカ‘’なのでした。
それから10数年すると、海外観光旅行が身の回りでもボツボツ普通のことになり、お土産にシャネルの口紅や香水をいただくこともありました。その頃になると世間では「働き過ぎないで休もう」という風潮が広まり、私達の会社でも長い休みが取れるようになりました。

先日、雨の中を持ち歩いて濡れたバッグの
皮の部分が延びてしまいました
何回かの海外旅行の後、香港へ行きました。この時は珍しく買いたいものがあったのです。私にしてはあまり無いことでしたが、その頃グッチのバッグとお財布が欲しいと思っていました。グッチのデザインは、Gの字を二つ組み合わせたものを点々でつないでいるだけの、ブラウン系のおとなしいものでした。

それが私には良くて、香港のグッチ専門店で右の写真の小ぶりのバッグと、お財布を見つけた時(これが欲しかったんだ!)と思ったのでした。とっても気に入って大事に使ってきたので、30年以上経った今でも時々使います。しかし流石にあちこちに傷みがあり気になってきたので、先日百貨店へ見に行きました。

 今どきのグッチはもう私の感覚と合わないものになっていました。30年の間、私の方は昔のグッチを大事に抱えてきたのですが、その間グッチ社は会社の組織も変わり、デザインも変化に次ぐ変化を遂げて来ていたのでした。伝統を守った昔ながらのものも少しあるようでしたが…。私は新しい華やかなデザインや、皮の始末が荒々しく(私の感覚ですが・・・)裁ち切りになっているのにびっくりしました。二つ目の売り場で説明を聞きながら見せてもらった後、手袋をした手で商品を扱い、対応してくれた販売員さんに「ありがとう」と言って立ち去ったのでした。
 

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