博士論文を仕上げて

 

            シリアなどで人気のお菓子、バクラヴァ

     

一昨日、息子は母校の大学に博士論文を提出しました。

彼は中東シリアの人ですので、自然と私も内戦下のシリアのことを大きな関心を持って新聞やテレビで見聞きすることが多くなりました。                         報道によるとシリアの国外避難民は660万人と報告され、自宅を離れて国内の安全な地域に避難している人々は670万人と言われています。2,000万人弱の人口の内、実に半数以上の国民が自分の家を放棄せざるを得なかったのです。


彼は留学するため2013年に日本にやってきました。日本語学校で学んだ後、大阪の大学に入学しました。大学に続いて大学院でも学びました。多くの留学生がそうですが、彼も奨学金とアルバイトによって自力で学費と生活費を賄ってきました。 彼の家族は首都ダマスカスで健在であり、たびたび連絡を取り合っています。スマホの無かったころの留学生の苦労を考えると夢のようですが~~

しかし最近のシリアの状態では、彼は母国に足を踏み入れる事は出来ません。空港に着けば若い男性はそのまま戦場へ送られるかもしれないからです。シリア国内での反政府軍との戦いがあり、リビアやナゴルノカラバフなどの紛争地へトルコやロシアの傭兵として送られる可能性もあり、自分の命を守ることが非常に難しいのです。

彼はダマスカスで、英語圏の国の大使館に勤めていましたが、将来を考えて日本に来ることにしたのです。彼が国を離れて以降残念ながら事態はより悪化しています。当分の間故国に帰るのは難しいでしょう。私は微力ながらそんな彼をサポートしたいと思ったのでした。


大学院を出た後、彼は兵庫県の大学で教鞭を執っていますが、卒業前から取り掛かっていた難民問題に関する博士論文をこのほど仕上げることが出来ました。取り上げたテーマの重さに彼自身苦しみながら、であったと思います。

しかしこの何年もの間、国内外の大学での学会発表や、ライオンズクラブ・ロータリークラブ、はたまた小学校や小グループなどへ難民問題やアラブの国についてお話してきました。その上、ジャパンタイムズの取材を受け、1頁を使って大きく取り上げられましたし、難民の多く住むオランダの新聞にもまた写真入りで大きく報道されるなど、非凡な活躍をしてきています。

また、難民として日本に来ている人たちにも取材を重ねて、彼ならでは、の十分な資料やエビデンスを備えた論文が出来たと、私は考えています。


論文の最終的な詰めの段階では、長い文章の隅々まで読み返し、不備が無いか、漏れはないか、の再度のチェックが必要でした。                           提出の日、ほぼ徹夜の午前4時迄作業し、床に就いたものの午前7時には起床したそうで、午後からご担当の先生に最終的に目を通して頂いたのでした。 あと、お二方の先生に見て頂くのですが、主査の先生にOKを頂戴しているので問題なく通るだろう、と彼は言っています。


論文を提出した後、彼は大阪の家へ帰ってきました。 少し面やつれはしていますが、博論提出をした安堵感と達成感に満ちていて、表情は生きいきとしていました。

「いつもアオヤナギ食堂で忙しい思いをしてもらっているからウナギでも食べよう」と事前に言ってくれていたので近くのお店で夕食を摂りました。               なんと、彼は「これ、今日初めての食事」と言うのでした。ご馳走してもらいました。。。

家に帰り果物など食べながら「もうパソコンなんか見たくもない」と言っていたのに、私のパソコンの不具合を伝えると機嫌よくみてくれて、申し訳なくも直して貰えて助かりました・・・です^^




             当日持って来てくれたバクラヴァ

         数年前初めて頂いたとき、美味しさに感動しました

        日本で発売されたらきっと皆んなが大好きになると思います

       小麦粉の焼き菓子で、ピスタチオなどのナッツ類が入っています

             早く日本で販売が始まれば嬉しいです


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