今年最大の出来事の一つ


「今年最大の出来事の一つ」と言っても間違いない、と思うことが昨日ありました。

 
お仏壇の移動(引っ越し)です。お仏壇を将来どうするか、ということは子供のいない私たち夫婦にとっての懸念事項でした。主人には弟が二人いて、上の弟には娘が一人、下の弟には娘に加えて息子が二人居ます。それで生前の主人と下の弟の間で、お墓とお仏壇の継承をすることが約束されたのでした。

 

主人の没後、お盆の墓参りには、下の弟家の子や孫達に私も合流して10人ほどもが一緒に、京都東山の大谷祖廟へ行っていました。昨今は朝の早いうち、直射日光からお墓が山蔭に守られて涼しい時間帯にお参りしたい私が別行動することにしていますが。。。

 
その弟は父母の命日の12月と7月には我が家の仏壇へお参りに来ることがこの10年の習いでした。それはお参りのみならず、私が元気にしているかどうかを見に来てくれていたのですが、「仏壇が無くなっても来るから…」と言っています。
 


3週間前、母の命日辺りに来宅した際、仏壇の引き取りを改めて申し出、自分で業者に電話をしました。全国規模の宅配業者が扱っているのではと考え、以前訊いてみた処、「そういう部門はありません」と言うことでした。今回お世話になったのは、福島区の仏壇店でした。電話帳で何軒かある仏壇店の内、「仏壇移動」と明記している店を見て、私は(ここしか無い)と思ったのでした。
 


義弟は「“魂抜き”というようなことをしなくていい」と考える人なので、こちらで勝手に抜いて義弟の家に行ってから“魂戻し”をして貰えないと、魂が何処かへ行ってしまわれそうで、それも困るので、“魂抜き”はして貰いませんでした。仏壇を処分するのではないですし。

 

 
その代りになるかどうか~最初に作業を始める前に、私は読経をしました。3週間の間にも何回かお経をあげずにいられませんでした。仏壇整理作業はなかなか進みませんでした。中二日ほど体調もすぐれませんでした。自分が気付かない間に、自分の精神の拠りどころにしていたのではないかしら、と思います。

 

最後の日、すっかりがらんどうになった仏壇内部を丁寧に刷毛ではいたり、綺麗な柔らかい布で拭いたりして、壁に接している裏側以外はきれいにしました。そして線香を焚き、また読経しましたが度々嗚咽が漏れ、途切れがちでした。その時左の手首に掛けた念珠をそのままにして、僅かながら残った作業を片付けました。約束の時間より20分早く業者さんの車が来て、仏壇は2階から1階へ降ろされました。手を合わせて車が無事に弟の家に付くことを祈りながら見送りました。

 

30数年の間お守りしてきた仏壇の跡を眺めながら、小さなスペースだけど大きな存在であったことをつくづくと感じています。

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