神棚顛末記


三春駒に似ていますが八幡駒です

Y君が言うには伊勢神宮の神馬はとても大きくて
立派だったそうです
今週初め留学生のY君に手伝ってもらって、我が家の倉庫に長年鎮座在しましていた神棚を、大阪天満宮へお移ししました。高さ45㎝位、幅60㎝位、奥行き30㎝位でしょうか。
 
義母が昔の大きな風呂敷に包んで一番上の棚に置いていたのを、結び目をほどいて見たことはあるのですが、そのままにしていました。

とは言え頭の片隅にずっとあり、偶々友人との話の中でその事に触れると「倉庫に置いたままなんて、バチ当たるよ!」と言われたのが、心にずっしりと重かったですねぇ。。。

  
昨年末、氏神様である大阪天満宮に相談したところ“お焚き上げ”をして下さるようでした。  
 

シリアからの留学生Y君が自宅に来た時に、その話をすると「見たい」と言いました。
彼はイスラム教徒ですが、他の宗教にも興味を持ち、高野山で座禅や写経を体験しています。宿坊に泊まって朝のお勤めも経験した、と聞きました。読経のメロディーを口ずさんでいたことがあります。伊勢神宮へも行ったことがあるようです(お詣りに行ったわけではありません)。
 

我が家の神棚は、内宮と同じく屋根の両端の千木は水平に切られ、千木と千木の間の勝男木は10本です。千木の端が垂直に切られ、勝男木が9本と言うのが外宮です。我が家の神棚は畏れ多くも内宮と同じ天照大神さまをお祀りしているようでした。

 
「え!これを焼いてしまうの?!これって文化財じゃない?」と、お社風の、工芸品の様な神棚をそう言って惜しんでくれるY君でした。

家をリフォームしたあと雰囲気の合わなくなった神棚を、(ひょっとしたらテレビ局で使ってくれるかも)(メルカリとかで欲しい人に引き取ってもらうのはどうかしら?)など考えたことがありましたが、結局そうしてしまうと後悔することになると心のどこかで思い、実行に移せなかったのでした。

 

力持ちのY君は我が家から天満宮までの10分程の距離を、一人で持ち運んでくれました。社務所に着くと地面に置きたがらず、お札やお守りなどを置いてある台の端っこの空いたところに乗せるのでした。聞いていた何がしかの料金を巫女さんに支払うと「こちらへどうぞ」と案内されました。

我々が通されたのはお祓い所でした。既に二組のグループが始まるのを待っていて、私達も入って三組が一緒にお祓いを受けました。初参りの赤ちゃんと40代の本厄と思しき男性と神棚をお焚き上げに持参した私の三人が神前近く座りました。神棚は神様の近くの台に置いてありました。正座して、自分の住所と名が読み上げられた時に頭を垂れます。振り返りませんでしたが、Y君も正座している筈でした。

 

厳かな神事を体験したあと、彼は「こんな経験は滅多にできない事・・・」と言いながら「かしこみ、かしこみ・・・って言っていたね。どういうこと?あと・・・」と神職の祝詞の口真似をするのでした。しっかりと聞いて憶えているのです。

天満宮の裏にある“亀の池”の傍の小さなお店に入ろうと思いました。Y君は「あ、うどんがある」と言い、よく聞くと空腹のまま約束の2時に我が家に駆けつけてくれたのでした。結局近くのファミレス“ロイヤルホスト”に行きました。彼はステーキ・ランチを注文し、私は話題のアサイーが入っているというヨーグルトのパフェを頼みました。

神棚運搬係を引き受けてくれた上に、その日は彼にご馳走になりました。
ありがとうY君!

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