アオヤナギ・ハリー

昨日、愛犬ハリーのケージを処分しました。使わなくなってそろそろ5年、これまで何としてもそれを手元から無くすことは出来ない、という気持ちでしたがやはり“歳月のなせる業”でしょう。
それでも最期にムーンストーンのような目で私の顔を凝視していたハリーを想い出してむせび泣いてしまいました。今こうしていても涙腺が緩んできています。優しく賢い柴犬でした。

17年8か月生きたのですが、お母さんと双子のお兄ちゃんと一緒にいたのは43日だけでした。我が家に来た時、掌に載せて「神様に預かった命」を感じました。1日目の夜はよく哭いていましたが、切り替えはその頃から早く、次の日から大丈夫でした。そのうち、誰にでも口にし易く覚えやすく、と“ハリー”と云う名前をつけて、1日に何十回となく「ハリー、お利口やねぇ」などと声を掛けてとにかく可愛がりました。

生後6か月くらいまで柴犬らしく気の強さが表情に出て、自称〈犬通〉の知人が「この仔はいい犬やけど、知らない人に対する時のこの額にできる皺が惜しいねぇ」と云われていました。
しかしそのうち、商店街を歩いていると前から来た若い女性たちから「この犬笑ってる!」と云われることが多くなりました。そして近所の子供たちから「おばちゃん、ハリー哭かへんの?」と訊かれるくらい、哭いたり吠えたりしない「穏やかで賢い犬」とひと様に言われる犬になったのでした。ワンちゃんには強かったのですが…

顔がハート形ともよく言われました
たまに私の母が来宅して散歩に一緒に行くと、お父さんと先頭を歩いているハリーが後ろを振り返って、おばあちゃんが角を曲がってついて来ているのを確認してから前へ進む、ということがよくありました。母も「ハリーも私の孫やから…」とよく言って可愛がっていたのでした。

                                                     
                                              主人が旅立った日のハリーの反応も忘れ難いものですが、涙が止まらなくなりそうで省略します。その後半年ほど私を支えて役目を果たしたと感じたのでしょうか、初めて病気になりお父さんを追って長い旅に出たのでした。





コメント

  1. 『ハリー』は子供のような存在だった!?。。。お飼いになった動機は分かりませんが、ブログを読ませて戴くと、『想いで一杯の楽しかった日々』を拝見し想像すると、もらい泣きしそうで(・_・、)お母さんやご主人との場面も、そんな風に感じます。

    我が家の愛犬も亡くなって来月で丸六年が経ちます。亡くなったのは、今日のような梅雨の雨が滴る日の夜でした。。。死を覚悟していたのか食欲も無く、しとしと雨にうたれて・・・庭先から、家に戻ろうとしませんでした。

    何か今回は季節がらか寂しいお話しになりました。
    この季節、梅雨入りし紫陽花も各地で見頃だとテレビでも報じていますよ。
    先日は京都の寺院で沙羅双樹や菩提樹の美しい花の報道もありました。

    テレビと言えば今朝の番組で『篠田桃紅』さんを見ました。
    百歳をこえてなお現役でお仕事をされています。我ながらチトその言葉と生き方について感動しました。幾つか本を出されているので、読んでみようと興味深く感じました。。。『人のまねでない 自分の生を 生きればいい』とか『くじびきみたいな結婚なんて とんでもない』『人生は一人でも面白い』など、常識や年令にとらわれず、『わたし』ひとりで生きていく覚悟を語られている模様です。
    共感出来たら、自分の残り僅かな人生観にしたいと思います。   
    もう時遅しですかねぇ(_ _ )/ハンセイ



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  2. こんにちは~。昨日は突然の雷雨の心配もある中、大阪舞洲ゆり園に行って来ました。
    (今日付けのブログ、よろしかったらご覧くださいね)大阪はこれまでのところ、天災もあまりありませんが、大雨や竜巻など昔に比べ日本列島は自然環境が荒々しくなっているような気がします。全国的にこの時期特に穏やかであって欲しいものですね。

    ハリーはまさしく子供のような存在でした…そしてしっかりと我々の愛情を受け止めてくれたんだな、って今つくづく有難く思っています。右と左も理解して自転車で「右っ」と言えば右へ、「左っ」と言えば左へ曲がるし、前から車が来れば「ハリー、右寄って」と言えば右に寄り危険を避けることが出来ました。レインコートを着せる時も右手(脚?)左手がわかっていたりして、一緒に生活していくのが楽なワンちゃんでした。

    ペットにまったく興味が無かった私は「友人宅で仔犬が産まれるから譲ってもらうことにしたよ」と主人に聞いて「えっ?!」と思いました。でも「妻が反対してるからやめる」と云わせたくなくて覚悟を決めました。・・・ンないきさつでした~どんなゴハンを与えればいいかわからず、主人に聞きながら始めの頃は試行錯誤の日々でした。小さな口に大きなドッグフードなどよく耐えて健康でいてくれたとハリーに同情と感謝です。

    お宅のワンちゃんはゴールデンレトリーバーでしたね?優しい性格の賢い犬種と聞いていますが、庭先からお家の中に戻ろうとしなかった、というのが哀切ですね…

    篠田桃紅さん、先だって私もテレビで見ました。才能ある高齢の方は耳を傾けたくなるものを沢山お持ちです。色々な方の言われることに耳を澄ましながら一歩一歩その方向に近づければいいな・・・

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