誕生日と中国コスメ


以前から誕生日は、そっと一つ齢を重ねる日と思っていました。勿論家族には祝って貰いたいのですが。。。
結婚してからは、お互いの誕生日にはどこかへ食事に行くという、平凡なその日の祝い方でした。

ある時期の数年間、主人の親しい友人が、私の誕生日にもお花や何らかのお祝いの品物を送ってきて下さっていました。主人の誕生日には毎年、何十年にも亘ってその方の会社の取扱商品であるブランド物のお財布やベルト・名刺入れ等々、さらには靴まで送られて来ました。主人の方は彼のお誕生日がいつかさえも記憶していないというのにです。主人はそのたびお礼の電話を掛けていましたが、あちらのお誕生日を訊ねることは無かったと思います。「兄弟がいないから寂しいんじゃないか・・・」と言っていました。他の方法で“自分の人生に君がいてくれて嬉しい”と伝えていたと思います。

私への戴き物はどうかして止めてもらいたいものだと思っていました。「○○歳になったね」と念を押されているような気がしたのだったと思います。出来るだけ、ひと様に齢が増えたことを隠したいような時期、だったのかもしれません。都度、お礼の言葉と共に辞退したい旨お伝えしていました。そしてその内“沙汰止み”に・・・お優しいその友人ご夫妻は、主人没後も随分私を気遣って下さり、とてもご恩を感じています。
 

ろうそく、少な目でした~
今年の誕生日は中国からの留学生の女性が「お祝いしましょう」と言ってくれ、3月にご馳走した鰻料理の“うな次郎”で、と言うので他も提案したのですが「うな次郎がいいです…」とのこと。
「そんなに好きなの?」と聞くと「今度は私がご馳走します。」と云うのでした。

当日、席の予約だけしておいたのですが、やはり“うな重”になりました。いただき終えると彼女が「アオヤナギさん、5分位待ってくださいね」と席を立ったので、レジへ行き支払いを済ませました。と云うのも、学生なのに高価なプレゼントをしてくれて申し訳なく、この上食事代を払って貰うわけにはいかなかったのです。


自然な優しい香りがします
彼女が中国へ帰省した友人に頼んで買って来てもらった、というコスメ・セットは、いかにも中国らしい色とデザインで、箱や袋さえ伝統を守り生かしたものであることに、ちょっと感動を覚えました。300年以上も歴史のある、老舗の香り専門店の製品だそうです。

白粉や頬紅、そして香水・匂い袋など、香りが強くて使いづらいものかな、と思いましたがそうではなく、優しく品のいい同じ系統の香りでした。後日、匂い袋は洋服ダンスに吊るし、他のは日々使えるようにしています。

あと、最近旅行した金沢で買って来てくれたという加賀友禅のハンカチと「アオヤナギさん、毎日一つづつ食べてください」と言って、甘党の私に釘を刺しながら渡してくれたマカロン、どれも嬉しいプレゼントでした。 

奥まったその席へ彼女が戻って来てすぐ、お店の女の子がろうそくを灯したケーキをニコニコしながら運んできました。なんというサプライズ・・・・・手で扇いで火を消すと、「カットしてきましょう」とまたお店の厨房へケーキは戻って行きました。1/4づつをお皿に取り分けてフォークも付けてまた目の前へ・・・この辺りで一番美味しいと云われているケーキ屋さんの、小さくても高価なケーキでした。とっても美味しかったのは言うまでもありません。久々に忘れられない誕生日となりました。
 

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