留学生たちの就活


正面玄関
この時期、学生たちは就活で大わらわです。エルセレーノでもスーツ姿で帰ってくる学生たちをよく見かけます。


 R君は走ることが好き。日本各地のマラソン大会に参加して、そこの風景や名産品・食べ物なども楽しみにしていて、仕事もマラソンに関わる会社に就職できたら、と考えるようになりました。
「日本のマラソン文化は素晴らしいです」と言います。
マラソンの魅力について熱く語るR君、「こんなにマラソンが好きなら、マラソンを仕事にしたらとてもいい仕事をするだろうな」と私は思っていました。
「最終面接は○○日です」と、聞いていた日から何日か経って(あれ、どうなってるの?)と、顔を見せないことに気付いた私。。。

はたして、事務所に別の学生が相談に来て話し込んでいた時に、国際交流センターから提出を求められていた書類を持ってきました。そして…「不合格の連絡がありました」とのこと。。。その言葉を聞いて一瞬茫然としてしまった私でした。R君が窓口から立ち去った後「そんなことあるのね・・・」とつぶやく私に、事務所にいたK君は「面接官との相性が悪かったのかも知れません」と言いました。

K君も既に数社にエントリーしていて、外資系の大手IT企業から不合格の通知があったばかりで、ショックを受けているのでした。彼は、我々が3番目位に指を折る大阪にある国立大学の院生です。最近は経済学にも検定試験があるそうで、彼は全国10位以内を目指していて6位になったそうです。

これからツツジが見ごろになるエルセレーノの前庭
そのように優秀な人でも、次々と興味を持つ会社にエントリーして行かねばなりません。K君は他に、本命のIT企業他社・信託銀行・損保会社などに合格できれば、と考えています。
その為に、応募の際提出するエントリー・シートに記入している文章について「日本の人が読んで違和感がないかどうか、チェックして欲しいんですが・・・」とパソコンを私のいる事務所に持ち込んで来たのでした。

これまで何度も留学生に頼まれて彼らの文章を直してきましたが、本当に難しいものでした。
完璧に修正してしまうと“日本人の日本文”になってしまうので、ほどほどに彼ららしいところを残して、意味の通る文にしなければなりません。

でも、K君の文章を一見して(あ、これは楽だ)と感じました。筋のはっきりした、かなりいい文章を書いていました。しかし、やはり、「て・に・を・は」が所々出来ていませんでした。それと企業側の難しい質問に答え切れていない箇所があり、彼と話し合って納得の上で書き直してもらいました。“一つ言うと十悟る”みたいな人であり、文才もあるので書き直しはとても速いです。質問されている項目によって200字とか300字とか字数制限があるので、それを気にしながら作業を進めました。

2日に亘って3社のエントリーシートを手伝いました。大学にそうした支援をしてくれる窓口があるようですが、これまでに色々な話をしているので、自分を解ってくれる人に、と思ったのでしょう。

3日目には「相談があります、いいですか?」と事務所に来ました。今回の2次面接で落ちた、その腑に落ちないもやもやを聞いてもらいたかったのでしょう。それに「これからの面接対策」を相談に来たのでした。これまでの自分の経験や、エルセレーノの先輩のことなどを交えて話しました。気が付くと私の退出時刻が近くなっていました。彼は「有難うございました、感謝します。おやすみなさい。」と言い、事務所を後にしました。来週は彼の本命の、日本最大手のIT企業受験です。成功を祈らずにおれません。
 

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