元留学生のこと


去年卒業して就職し、配属先の東京で頑張っていた台湾人の男性から「英国の大学院に留学することにしました」と3月半ばに連絡がありました。「一度大阪へ帰るので会いに行ってもいいですか?」とのこと。。。彼は大阪に6年住んでいたので正しく“大阪は第二の故郷”と言っています。「もちろん、いつでもいいよ。」と答え、いつ来るかしらと待っていると4月8日にLINEで「今、新幹線で大阪に向かっています」と連絡がありました。12日まで大阪にいるらしく、やり取りをして11日の夕方エルセレーノの事務所へ来てもらうことになりました。


当日、窓口に現れた彼を「お帰り!」と迎え、予約しておいたウナギ料理店“うな次郎”へ行きました。この一年の会社生活、仕事のことを訊くつもりでしたが、その事に触れるのは具合が悪そうな気配を感じました。何があったのかわかりませんが、多分想い描いていた仕事や職場環境ではなかったのだろうと思いました。英国の大学院で“MBA(経営学修士)”の資格を取る、と言うので「米国ではなく?」と訊いてみました。米国でMBAを取る、ことは勤めていた会社でよく聞いていたので、英国で、と言うのは珍しい・・・と思ったのです。すると「米国では2年掛かるけど、英国では1年で取れるんです」と言いました。東京にいる間にその大学院にアプローチをして入学資格を取得したそうです。今はインターネットがあるので、簡単に海外と連絡が取れて、私など思いもかけない事を若者はしているんですねぇ。

それから話は、いつの間にか彼の悲恋物語になりました。
「日本語学校の時知り合った韓国人女性と大学1生の時に別れ、ようやく傷が癒えかかった4年生の時に彼女がエルセレーノに入居して来、また苦しみが始まったんです」と、淡々と語りました。
とってもとっても驚きました。彼は関西では有名な私大の留学生会会長でした。ある企業からの奨学金を貰い、米国へも派遣されたりしている優秀な学生でした。

彼女もまた優秀な人で、大阪の国立大を卒業し、今年大学院に進みました。すらっと背が高く小顔の、知的で可愛い感じの美人です。人柄も優れていて、以前から私も一目置いていた女性でした。退去するときにお部屋の点検をした際、拭き掃除も済ませていて皆に見習ってもらいたいような上出来の退去でした。最後に「アオヤナギさん、お世話になりました!」と掌を耳のところで少し払うような敬礼の真似事をして、引越しの手伝いに来ていたアッシー君(多分)の車に乗り込みました。最後まで爽やかそのものでした。

その彼女と恋愛関係にあったというので驚きました。でもどちらも申し分のない人たちなので不思議ではありません。彼から彼女に「イギリスに行く」と連絡は入れた、と言っていました。

その日私は、万博公園で“喜婦人”と名付けられた日本料理を頂き、夜はうな重を賞味し、外食三昧でした。特にうな重は3月に一回、4月のこの日までにすでに一回、いただいているのですが、飽きるという事がありません。好きなことはもちろんですが、エルセレーノに最も近い店なので仕事中の食事に便利であり、留学生が憧れるお店であるのも大きな要素です。今回も「いつも有難うございます」と言われましたが、またお世話になることでしょう。気分の落ち着くお店です。

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