身辺の素敵な若者たち

先日、エルセレーノの住人であるイタリア人の男の子が窓口に来ました。「温度計ありますか?」と訊くので「体温計?」と応えると「あ、そうです」とのこと。ひたいに掌を当てると熱が伝わってきます。これまで「熱があるんです」と言ってきた子でこんなに高い人はありませんでした。「ちょっと待ってて」と、急いで最近買いなおした最新の体温計を自宅から取ってきました。

事務所で座って腋に入れて測っていましたが、ピピッと鳴るとサッと取り出してそのまま私に渡してくれたのです。(エッ!まず自分で見ないの?)と内心思いながら「40.1度C あるよ」というと驚いて体温計の窓をじっと見つめていました。もう9時半になっていました。体温計を貸していくつか私なりの注意を与えて自室へ帰る彼を見送りました。

この四月に入居してきたのですが、室内の設備や居住上のいくつかのルールなどを話した時、妹がいることをとても優しい笑顔で話し、自分のことは「僕、24才なんです」といいました。背が高くがっしりした体格でハンサムで、どこから見てもイタリア人、の顔つきです。私はちょっと茶目っ気で「私も24才の時あったのよ」といいました。彼は面食らってなにか言っていましたが、よく聞いてみると、「…誰でもある…」とぼそぼそ言っているのでした。



その夜、それから私は最寄りのスーパーへ行き、スポーツドリンクとお水各2リットル、真っ赤な大きなリンゴを3つ、差し入れしました。高熱で頭痛も少しあり、お腹もこわしているらしいので、私は感染症を疑ったのでした。先ずはウイルスを含んだお腹のものを出し、汗を蒸散させると体内の水分をかなり使ってしまうので熱中症が気になりました。夜の間に体調の気になる変化があれば、ここへ電話をしなさいね、と「大阪市救急安心センター」のチラシを渡しておきました。

次の日の夕方、事務所へきて「37.5度C に下がりました」と報告してくれましたが、病院へ行った気配はありませんでした。「食欲ないけど、牛丼食べてきます」と出て行きました。食欲なくて牛丼かぁ、と思いましたが…

次の日も37.5度C だと云いました。

その次の日、ようやく近くの医院へ行ったらしく、お薬の袋を見せてくれました。「感染症だって言われました」やっぱりね!最初からそうだと云ってるでしょ、とは言わなかったけどね・・・ま、よかった。お医者さんに診てもらうとやはり安心だもの。体温計を返してくれました。アルコールを含む濡れティシューを一緒に持って来て、私の目の前で拭いて返してくれたのでした。

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