災害救助犬、夢之丞（ゆめのすけ）

広島市北部の土砂災害では死者７２人、行方不明者２人の被災者を出しました。国土交通省の緊急調査では、被災地周辺にある渓流１８３ヵ所のうち７０ヵ所は再び雨が降れば土石流を引き起こす危険性が高い（危険度Ａ）と判定されました。

遅ればせながら詳しい調査がされたのはいいが、広島市などはこの点検結果を慎重に検討、とあり結果がそのまま公表されるかはわからないのです。風光明媚な景勝地が危険度Ａ・Ｂ・Ｃなどと判定されると宅地として開発されても買い手がつかず、観光客の脚も途絶え、業者からの苦情が出るからです。

『今回の土砂災害の捜索現場では、延べ８０匹の災害救助犬が活躍している。かつて捨て犬だった雑種の「夢之丞（ゆめのすけ）」雄、３歳もその一匹。２０１０年１１月、生後３～４ヵ月だった夢之丞は、広島県内の施設で殺処分寸前だったところを偶然助けられた。直後、小さな体が約３０分間小刻みに震え続けたという。その後スタッフが心のケアをしながら訓練を始めると、徐々に打ち解けていった。今回は押し潰された家屋から一人の遺体を見つけた。

多数の死者・行方不明者が出た安佐南区八木地区で２０日、ぬかるんだ地面の匂いを嗅ぎながら、夢之丞が勢いよく駆けて行った。倒木に押しつぶされた民家のそばで立ち止まりハンドラー（操作者）をじっと見つめた。捜索隊が確認すると、中から男性の遺体が見つかった。』

以上は毎日新聞８月２５日の報道ですが、初出動を終えた夢之丞は使命感に満ち溢れた表情に変わったそうです。絶望的な状況から非常に運よく脱出できた夢之丞、これからも頑張って欲しいし、いい人（犬）生をまっとうすることを祈ってやみません。

行方不明者を捜索する災害救助犬、夢之丞